【初心者向け】ゼロから学ぶ陸マイラー講座 ~Vol.5 SFC修行とは~

ANAマイレージクラブには一般会員とは違う「プレミアムメンバー」というステータスが存在します。

プレミアムメンバーには、豪華なラウンジ利用や、優先チェックインなど非常に魅力的に特典があるのですが、飛行機にたくさん搭乗する必要があり、しかもプレミアムメンバーのステータスの期間は、再び飛行機に多く搭乗しなければ1年限り終了してしまいます。

しかしSFC(スーパーフライヤーズ)会員になれば、プレミアムメンバーのステータスの一つである「プラチナ」とほぼ同等のサービスが受けられ、且つSFCカード(クレジットカード)の年会費を払っていれば、永久的に資格が維持されます。

本記事ではSFC会員になるための方法についてご紹介していきます。

クロフネ

SFC修行と呼ばれています!

目次

SFC会員になるためは

SFC会員は自動的に付与されるものではありません。入会の条件を満たし、自ら申請して得られるものなのです。必要な条件とは下記の通りです。

条件
プレミアムメンバーである「プラチナ」か「ダイヤモンド」になっている

飛行機に搭乗しプレミアムポイントを貯めてプラチナかダイヤモンドになる必要があります。

100万ライフタイムマイルに到達している

ライフタイムマイルはANAマイレージ会員入会後の総獲得マイレージです。

至極当然な話ではありますが、プレミアム会員と同じサービスを受けるためには、まずプレミアム会員になる必要があります。この条件を満たすためにはある程度の出費と時間が必要です。

上記のうち、圧倒的に難しいのは「100万ライフタイムマイル」です。毎年海外を飛び回るような人でない限り達成までの道のりは険しいです。

それよりは難易度は下がりますが、次に難しいのは「ダイヤモンド」です。1年間でプレミアムポイントを10万ポイントで達成できます。最も現実的なのは「プラチナ」で、1年間でプレミアムポイントを5万ポイントです。

これからSFCを目指す人はまずはこの「プラチナ」を目指しましょう。

プラチナまでの道

プレミアムポイント5万ポイントまでは長い道のりです。時間もお金もかかります。費用は人によりますが50万円が目安です。

費用だけでなく、より効率が良いフライトを探して、スケジュール調整して予約したり、短期間で貯めるために、目的地まで行って観光もせずそのままUターンして帰ってきたりとそれなりに手間もかかります。

また飛行機にひたすら乗り続けるのは、肉体的にも精神的に消耗します。これら困難が伴う事から「SFC修行」と呼ばれています。しかしこのツライ修行を乗り越えたら(解脱と呼ばれています)一生モノであるSFC会員を得られるわけですから、チャレンジする価値はあります。

50万円という費用をどう捉えるかですが、長期視点で投資だと思えば出せない金額でもありません。

また実際修行といいながらも、旅行好きの方であればどこにフライトしようか考えたり、行ったことのない地を訪れるのは楽しいものです。長い搭乗時間や待ち時間も読書やNetflix(ネットフリックス)などの動画配信サービスなどで時間を過ごせば、それほど苦ではありません。趣味でそれくらいの金額を使う人もいますので考え方次第です。

修行には時間もお金もかかって大変ですが、プラチナになる必要があるのは1回だけです。

プレミアムポイントを理解しよう

プレミアムポイントの仕組みを理解しましょう。獲得できるポイントの計算は次の通りです。

計算方法
区間基本マイレージ

搭乗区間ごとに設定されたマイル数です。距離が遠いほど高くなりますので、効率よく修行するためには遠方の目的地にしましょう。搭乗区間のマイル数はマイレージチャートで確認ができます。

予約クラス・運賃種別ごとの積算率

運航便の搭乗クラス・運賃種別によって倍率が変わります。75%以上が適用されるチケットを購入しましょう。運賃ごとの倍率はこちらから確認できます。

路線倍率
国内線全路線2倍
国際線ANAグループ運航便の日本発着アジア・オセアニア・ウラジオストク1.5倍
国際線それ以外1倍

当然ながら倍率の高い路線を狙います。

搭乗ポイント

搭乗クラスや運賃によって貰えるポイントです。「0ポイント」「200ポイント」「400ポイント」の3種類です。高い運賃程高く、早割など割引運賃には低く設定されています。詳しくはこちらから確認ができます。

路線ごとに手動で計算するのはとても大変なので、プレミアムポイントシミュレーションを使うを便利です

PP(プレミアム)単価

SFC修行に当たってひとつ目安としている指標が「PP単価」です。

PP単価

運賃÷獲得PP=PP単価

つまりは1PP(プレミアムポイント)を獲得するために必要な経費ですね。修行費用の目安の50万円を、プラチナに必要な5万ポイントで割ると、PP単価はちょうど10円になります。

PP単価10円をひとつの指標として、効率の良いルートを探すと良いでしょう。単純に安いチケットを購入すればよいというものではありません。運賃が安いと、積算率や搭乗ポイントが低くなり、獲得できるPP(プレミアムポイント)は少なくなるからです。

また逆にどうせ修行するなら楽しく快適にとプレミアムクラス(国内線)を使って修行する方法もあります。50万円はオーバーするかもしれませんが、搭乗回数は減り、その分時間を有効に活用できます。もちろん両方を組み合わせたハイブリット型でもOKです。

「ああでもない、こうでもない」と、どの路線を選ぶか計画を立てるのも楽しいですよ。 プレミアムポイントシミュレーション を活用して、調べてみましょう。

修行ルート例

自分のスケジュールに睨めっこしながら、ルートを考え、シミュレーションするのは、面倒くさいけど楽しいものです。修行を楽しくするためには、行きたいところへ行ってみるのがベストかと思います。

でもなるべく時間とお金を節約したいという人のため、効率の良いルートの探し方をご紹介します。PPもマイルと同じ、区間基本マイレージがベースですから、基本は「遠いところ」です。

遠いと言えばまず思い浮かぶのは沖縄です。全国どこの出発地からも遠い!距離が稼げるのでとても効率が良いです。王道中の王道ルート羽田⇔那覇を見てみましょう。

羽田⇔那覇ルート
運賃

ANA SUPER VALUE 28(運賃7)

金額

15,710円

PP

「ANA SUPER VALUE 28」は積算率75%、搭乗ポイントは0です。

PP単価

15,710円÷1,476PP≒10.6円

可もなく不可もないSFC修行には標準的とも言えるルートです。往復で2,952PPですから、17往復でプラチナ達成となります。

ルートのイメージは湧いてきたでしょうか。羽田⇔沖縄はSFC修行にはメジャーなルートです。では次は少しアレンジしてみます。

羽田⇔(伊丹)↔那覇ルート
運賃

バリュートランジット28

金額

18,430円

羽田から那覇へは直行便はたくさん就航していますが、敢えて伊丹で乗り継ぎします。

PP単価

18,430円÷1,928PP≒9.5円

羽田→伊丹
伊丹→那覇

直行便ではなく、伊丹で乗り継ぎをするルートです。この運賃の場合「搭乗ポイント」が200ポイント付与されるのです。羽田→伊丹、伊丹→那覇でそれぞれ付与されますので、合計400ポイントです。

乗り継ぎの方が運賃が高いのですが、獲得するPPは多く、且つPP単価も低くなるわけです。通常の旅行だと、運賃が高くて時間もかかるのであれば絶対に買わないチケットですよね。SFC修行ではこういう旅程を発券する楽しみもあります。

上記の乗継ぎ便(バリュートランジット28)を利用した場合の羽田⇔那覇間の往復で獲得できるPPは3,856ポイント。13往復すれば達成です。シーズンオフのもっと安い運賃を狙って低PP単価にしたり、逆に運賃の高いプレミアクラスに搭乗して一気にPPを稼いで回数を減らす方法もあります。

SFC修行に出てみよう

SFCに興味が少しでもあるなら、行動あるのみです。解脱するにはとにかく飛行機に乗りまくるだけです。しかし修行には入念な準備が必要です。

ANAカードを作ろう

SFC会員になるためには、プラチナステータスになってから、SFCカードの発行が必要です。カードはクレジットカードですから当然審査があります。SFCカード発行資格を持っていても、審査に通るとは限らないのです。

つまりせっかく苦労して50,000PP貯めても、SFC会員になれないという場合がありうるのです(SFC審査落ちと呼ばれています)

審査に落ちてもプラチナステータスは維持されますが、1年後に失効します。継続したければ再度飛行機に乗りまくり、50,000ポイントを貯める必要があります。

そうならないためにも、修行の前にANAカードは発行しておきましょう。SFCカードは持っているANAカードがグレードアップするものですので、既にANAカードを保有していれば審査に落ちる事はありません。何より修行ではANAの航空券を購入するわけですから、ANAカードで決済した方がマイルも貯まります。

但し、SFCカードへの切り替えはワイドカード以上のランクでないと出来ません。もしANA一般カードでSFCカードを申し込む場合は新規発行扱いとなりますので、SFCカードを狙うなら最初からワイドカード以上のANAカードを発行しておきましょう。

ANAカードSFC切り替えANA SFCカード
一般×なし
ワイドスーパーフライヤーズカード
ゴールドスーパーフライヤーズ ゴールドカード
プレミアスーパーフライヤーズカード プレミアムカード

おすすめのカードは?

ANAカードのワイドカード以上と言っても、発行会社(三井住友・JCB)やカードブランド(VISA・Master・ダイナース・アメリカンエクスプレス)の違いがあり多種に渡っています。

それぞれ特徴があり、一概におすすめというのは決め難いのですが、私はやはりANA VISA/Masterワイドゴールドカードです。「WEB明細」や「マイ・ペイすリボ」を併せて申し込む事によって年会費は1万円を切ります。コスパの面では一番優れていると思います。

家族カードも一緒に発行しよう

もしあなたに家族がいて、修行を志すならぜひ家族カードも一緒に発行しておきましょう。

あなたが修行の後、50,000PP貯めたとしても、プラチナステータスになれるのはあなただけです。家族で旅行に行っても、家族が特典を受けられなければ意味がありません。

しかしSFCカードは家族カードも発行できるため、家族もSFC会員として特典が受けられます。つまり一度本会員がSFCになれば、家族カードの数だけSFC会員が増えるのです。大学生のお子様(家族カードの対象は18歳以上)がプラチナステータスと同じなんて事もできます。

またANAラウンジはSFC会員と同行者1名までが利用できますので、本人(本会員)と配偶者(家族カード)があれば、子供2人を含めた4人でラウンジを利用できるようになります。もちろん優先搭乗や専用カウンターなども一緒ですから、家族旅行が一気にリッチになりますよね。

修行費用を無料にする方法

家族カードを含むANAカードを発行したら、あとはひたすら飛行機に乗るだけです。50,000PP獲得に向けて修行を開始しましょう。

「しかし肝心の搭乗費用が…」

「興味はあるけど50万円なんてとても…」

そうですね。SFCは半永久的な資産とはいえ、50万円をポンと出せない方もいるでしょう。PPは有償搭乗でしか付与されません。マイルを貯めて交換できる特典航空券ではPPは付与されませんから、チケットを購入する必要があります。

でもこの費用を実質無料で賄える方法があるのです。

それは「ANAスカイコイン」を航空券の支払いに充てることです。

ANAスカイコインは、マイルと交換できる電子マネーのようなもので、1スカイコイン=1円相当として現金と同じように使う事ができます。スカイコインがあれば手出しなしで航空券を購入する事ができます。

スカイコインと交換するマイルはクレジット利用の他、ポイントサイトを活用する事で、ほぼ無料で手にする方法があります。無料で手に入れたマイルをスカイコインに交換し、そのスカイコインで航空券を買えば、無料で修行が出来るというわけです。

ANA VISA/Masterワイドゴールドカードであれば、1マイルに対する交換率が最大で1.6倍になりますので、312,500マイルあれば50万円分のスカイコインに交換できます。

実際ポイントサイトで312,500マイル貯めるのは、不可能ではありませんが、かなり時間がかかります。完全無料でSFC修行は現実的ではないかもしれません。

しかしクレジットカードの還元マイルや、現金(クレジットカード含む)での購入も組み合わせる事で費用を抑える事は十分可能です。先立つものがないけど、すぐに修行を開始したいという方におすすめです。

まとめ

ANAマイレージクラブの上級会員である「プレミアムメンバー」(ブロンズ・プラチナ・ダイヤモンド)になるのは容易ではありません。例えば2021年から飛行機搭乗以外のANA提供のサービス利用でもプレミアムメンバーになれるようになりましたが、下記の通りかなり高いハードルです。

■下記条件1~3すべてを達成が必須

プラチナの条件3 ANAカードの決済が年間600万円を達成できる人なんてなかなかいないと思います。

それくらいプレミアムメンバーは限られた門です。しかし50万円程度(ポイントサイト併用でもっと少なくてOK)の費用で、ほぼ同等のサービスが半永久的に手に入るのだから、チャレンジする価値はあると思います。

皆さんもぜひチャレンジしてみて下さいね!

SFC修行フローまとめ
  1. ANAカードを作る(ワイドゴールドがおすすめ)
  2. マイルを貯める(ポイントサイトを活用しよう)
  3. マイルをスカイコインに交換(資金が準備できればなしでOK)
  4. 修行ルート計画を立てる(PP単価10円が目安)
  5. 計画実行!とにかく飛行機に乗りまくる!!

「No travel , No life」

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